WANとLANの違いと用途を分かりやすくまとめてみる

ネットワーク

はじめに

無線LAN等でLANという言葉をきいたことがある人は多いかもしれません。

一方で、WANという言葉はあまり聞きなれない人も多いでしょう。

この両者は似ているようで大きく異なるネットワークたちです。

こんかいはこのLANWANについてまとめていきます。

LAN(ローカルエリアネットワーク)

概要

LANとはLocal Area Networkの略です。

Localとついているように、限られた地理的範囲内(家庭、学校、オフィス等)で使用されるネットワークのことです。

高速で信頼性の高いデータ通信を提供し、複数のデバイス(コンピュータ、プリンタ、サーバー等)を接続するために使用されます。
 

特徴

・高い通信速度
高速なデータ転送速度を提供。(10Mbpsから10Gbps以上)

・低遅延
ネットワーク内のデバイス間の距離が短いため、通信遅延が低い。

・高い信頼性
限定された範囲内で運用するので、障害発生時の影響範囲が限られ、迅速に復旧することが可能。

・セキュリティ
物理的に限定された範囲内で運用するので、セキュリティ管理が比較的簡単。
 

用途

・家庭用ネットワーク
家庭内のPC、スマートフォン、タブレット、スマート家電を接続するために使用。

・企業内ネットワーク
オフィス内のコンピュータ、プリンタ、サーバーを接続し、効率的なデータ共有とリソース管理を実現。

・学校/大学
教育機関内で学生や教職員がネットワークを通じて情報にアクセスし、教育リソースを共有。
 

WAN(ワイドエリアネットワーク)

概要

WANWide Area Networkの略です。

WANは広範囲にわたる地理的領域(都市、国、大陸間等)をカバーするネットワークを指します。

WANは遠隔地にある複数のLANを接続し、インターネットのような広域ネットワークを形成します。

特徴

・広範囲カバー
WAN
は都市間、国際間などの広範囲にわたるネットワーク接続を提供します。

・低速遅延(比較的)
LAN
と比べて、通信速度が遅くなる傾向があります。
通常、数百Kbpsから数百Mbpsの範囲です。

・高遅延
通信距離が遠いため、データの送受信に時間がかかり、遅延が発生しやすいです。

・複雑なインフラ
WAN
は多くの場合、複雑なネットワークインフラストラクチャを必要とし、管理と保守が困難です。

用途

・企業間ネットワーク
複数のオフィスや支店を持つ企業が、全拠点を統合したネットワークを構築するために使用します。

・国際通信
国際的なビジネスやグローバルなインターネットサービスプロバイダが、世界中の拠点を接続するために使用します。

・インターネット
最も広範なWANの例であり、世界中のユーザが情報にアクセスし、コミュニケーションを取るための基盤となっています。

 

LANとWANの技術的な違い

通信プロトコル

LANでは、主にEthernetやWi-Fiが使用されます。これらは高速かつ低遅延の通信を実現するためのプロトコルです。

WANでは、PPP(Point-to-Point Ptotocol)、MPLS(Multi-Protocol Label Switching)、ATM(Asynchronous Transfer Mode)などが使用されます。

これらは広域のネットワーク接続を維持するために設計されています。
 

デバイスとインフラ

LANでは、スイッチ、ルーター、アクセスポイントなどのデバイスが使用されます。

これらのデバイスは比較的安価で、設置や管理が容易です。

WANでは、専用のルーター、ファイアウォールサーバー、広域通信装置などが必要です。
これらは高価で、専門知識を持つ技術者による管理が必要です。
 

ネットワーク管理

LANの管理は、比較的単純で、ネットワーク管理者が直接管理することが多いです。

WANの管理は複雑であり、多くの場合複数のサービスプロバイダと協力して管理する必要があります。

また、広範なモニタリングとトラブルシューティングが求められます。 
 

LANとWANの連携

現代のネットワーク環境では、LANWANが連携して使用されることが一般的です。

例えば、企業内のLANWANを通じて他の視点やオフィスと接続されます。

また家庭内のLANも、インターネット(WAN)を通じて外部のネットワークにアクセスします。
 

ハイブリットネットワーク

ハイブリットネットワークは、LANWANの両方の利点を組み合わせたネットワークアーキテクチャです。

これにより、内部ネットワークの高速度と低遅延を享受しながら、広域ネットワークの接続性を確保することができます。
 

セキュリティの考慮

LANWANの連携においてはセキュリティが大事になってきます。

内部ネットワーク(LAN)のセキュリティを維持しながら、外部ネットワーク(WAN)との安全な通信を確保するために、ファイアウォールVPN(Virtual Private Network)暗号化技術などが使用されます。
 

まとめ

LANWANは、それぞれ異なる特徴と用途を持つネットワークで、現代の情報社会においては両者の連携が非常に重要です。

LANは、家庭やオフィス内で高速度かつ信頼性の高いネットワークを提供します。

WANは、広範囲にわたる地理的領域をカバーして、グローバルな通信を実現してくれます。

今後もネットワーク技術が進化し、両者よりも優れたエリアネットワーク、プロトコルが登場することで、更なる情報社会の発展に繋がるでしょう。

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コメント

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