この記事は2024年4月に入社した新卒エンジニアが、実体験を基に書いています。
同じように不安や戸惑いを感じている仲間へ、これまでの経験と学びを共有したいと思います。

僕も最初は不安だらけだった…
なぜこの記事を書いたのか
お猿SEは2024年4月に入社した新卒エンジニアです。
お猿SEが入社した会社はそこそこ続くIT企業で、コードレビューの文化や運用・保守の方針がそれなりに定まっているような企業でした。
入社してすぐに感じた衝撃は今でも鮮明に覚えています。

「こんなに差があるのか…」
「この差を埋めるのは、いったいどれくらいかかるんだろう…」
「そもそも、自分はエンジニアが向いているのだろうか…」
といったようなことを感じていた…..
大学時代にプログラミングスクールで学び、必死で準備して入社したはずなのに。
その差は想像よりも大きなものでした。

しかし、あれから3ヶ月。
いまだに不安は消えていませんが、確実に変化を感じています。
この記事では、次のようなことを共有していきたいと思います。
技術力の差に打ちのめされた日々
現場で感じた圧倒的な差
入社直後の具体的な出来事を共有します。
- コードレビューでの衝撃
- 自分:基本的な機能を実装するのに精一杯
- 先輩:パフォーマンス、セキュリティ、保守性まで指摘
- 例:「この処理はN+1問題が発生する可能性があります」という指摘に、N+1問題自体を知らなかった
- 設計の深さの違い
- 自分:とりあえず動くものを作ることで精一杯
- 先輩:将来の拡張性やエッジケースまで考慮
- 例:「この設計だと、将来○○といったような場面で大幅な改修が必要になりませんか?(改修がしにくい)」
- トラブルシューティングの差
- 自分:エラーメッセージを必死でググる
- 先輩:ログを見て瞬時に原因を特定
- 例:「この例外が発生しているということは、○○の処理で△△が起きているはずです」
毎日感じる無力感との戦い
同期全体の研修が終わり、実際に技術職の部署に配属して最初の1ヶ月は本当に辛かったです。
特に辛かったのは、
- 自分の成果物に自信が持てない
- 質問するのも躊躇してしまう
- 周りに迷惑をかけているのではないかという罪悪感
といったことでした。
転機となった先輩との対話
そんな中、大きな転機となったのは、
入社2ヶ月目に行った先輩との1on1でした。
思い切って、自分の不安をすべて打ち明けてみました。
すると先輩は、意外な言葉を返してくれました。
「その気持ち、すごく分かるよ。私も入社当時は全く同じだった。」
そして、大きく3つの具体的なアドバイスをくれました。
1. 新人時代は「インプットの時期」である
「今は成果を出すことよりも、インプットに集中するべき時期」
目先の成果にとらわれず、吸収する時間に時間を使っていいと言われました。
全部の会社でこんなアドバイスは聞けるとは思えないので、とてもありがたいと感じたことを今でもおぼえています。
インプットの具体例としては次のようなことを教えてくれました。
自分がインプットしている間は、成果を出せないのでこの言葉がなければ、落ち着いてインプットを行うことはできなかったと思います。
2. 見えない成長を実感する方法
「日々の小さな進歩に目を向けてみる」
日々を意識せず過ごしていると、小さな成長を実感することはできません。
昨日と比べて何が分かるようになったのか、何ができるようになったのかを自分の中で整理して成長として実感できないと、モチベーションも維持できませんし、何より楽しくないと思います。
日報や週報に今日学んだことを書く、何か作業をしたら自分が行ったこと、学んだことをメモしておくなどをすることによって、成長を実感することも多くなり、成長スピードも加速します。
3. 質問力を磨く
「最初から完璧な質問はできなくていい。質問する力も成長の一部だから。」
最初の頃ってわからないことだらけなので、自分が何がわからないのかが分からないといったことも起こり得ます。
その時必要な力が
「質問力 = 自分の頭でまず何が分からないかを明確にし、それをどう伝えるか」
です。
質問力の具体的な向上例としては以下のようなポイントがあります。
昔と違い、上司や先輩も聞けば教えてくれる人が増えてきていると思います。
新卒の頃はたくさん間違えていい保証がついていると思っているので、迷惑かなとか考えずに困ったらすぐ聞くくらいの考え方でいいと思います。
何回も同じこと聞いたりしたら何か言われるでしょうが、次から気を付ければいいだけなので、新卒の特権をフル活用していきましょう!
実践:モチベーションを保ちながら成長する方法
ここからはモチベーションを維持しつつ成長に繋げるために私が実際に行っていることを、まとめていきます。
- コードリーディング
- プロジェクトの既存コードを読む時間を確保
- 分からない部分はメモを取る
- 気になる実装パターンを集める
- 例:認証機能の実装パターン、エラーハンドリングの方法など
- レビューコメントの宝庫化
- 同じ指摘を受けないよう意識
- レビューでの指摘を全てストック
- カテゴリ分けして整理
- 例:「変数名の命名規則」「エラーハンドリング」「テストケース」など
- 技術書との向き合い方
- むやみに読み進めない
- 実務で必要になった時に該当箇所を深掘り
- 分からない部分はメモを取り、後で調べる
- 例:WebAPIの設計本なら、実際のAPI実装時に参照
学習方法に関しては人それぞれに合う合わないがあると思いますが、上記の3つは誰が行っても成長が実感できるやり方です。
1つでも習慣化してみると、学びが楽しくなってくるはずです。
- コードを書く前の準備
- 似たような実装がないか探す
- 設計の意図を理解する
- 必要なテストを考える
- レビュー指摘を事前に想定
- チーム開発での立ち回り
- 分からないことは早めに相談
- 作業状況を小まめに共有
- チームの習慣や規約を意識
- ドキュメントの更新を心がける
- 振り返りの習慣化
- 日報での学びの整理
- うまくいかなかったことの原因分析
- 次回に活かせる教訓の抽出
- 定期的な目標の見直し
自分が理想とするエンジニアに近づくには、一日の積み重ねが大切です。
皆誰しもが初心者からスタートして、始まってからはやるかやらないかがあるのみです。

- 小さな進歩を記録
- Notionで学習ログを取る
- 分からなかったことが分かるようになった瞬間を記録
- レビューでの指摘の変化を追跡
- チームへの貢献度の変化を観察
- 技術力の可視化
- 技術ブログの執筆
- 社内勉強会での発表
- ドキュメントの整備
- 後輩や同期との知見共有
- 長期的な目標設定
- 3ヶ月後に達成したいこと
- 半年後に担当したい領域
- 1年後の理想像
- スキルマップの作成
目標は抽象的だったり、期限がないと達成具合や自分のスキルの把握が難しいので、できるだけ具体的かつ期限を決めてあげると効果的です。
これから意識していくこと
目標設定等が難しい場合は技術面、ソフトスキル面を意識すると、具体的になります。
以下は、成長をする上で意識して取り組みたいことリストになります。
技術面での成長戦略
- 基礎力の強化
- アルゴリズムとデータ構造の理解
- デザインパターンの学習
- クリーンコードの原則の実践
- テスト駆動開発の習得
- 実装力の向上
- パフォーマンスを意識したコーディング
- セキュリティを考慮した実装
- エラーハンドリングの改善
- コードの可読性向上
- 設計力の養成
- アーキテクチャの理解
- DBの最適化
- API設計の原則
- マイクロサービスの考え方
ソフトスキルの育成
- コミュニケーション力
- 進捗報告の質を上げる
- 技術的な議論への参加
- ドキュメントの作成力
- プレゼンテーションスキル
- チーム開発スキル
- コードレビューの質向上
- GitやGitHubの使い方の向上
- タスク管理の効率化
- チーム内での情報共有
- 問題解決能力
- デバッグ力の向上
- トラブルシューティングの強化
- 原因究明の手法習得
- 解決策の提案力

同じ悩みを持つ仲間へのメッセージ
入社してから数ヵ月。 まだまだ不安は尽きません。
しかし、少しずつ変化も感じています。
大切なのは、今この瞬間に全力を尽くすこと。
そして、確実に積み重なっている経験を信じることです。
エンジニアとしての第一歩を踏み出したばかり。
これから先には、きっと多くの学びと成長の機会が待っているはずです。

一緒に、この山を登って行こう!
追伸:これから入社する新卒エンジニアへ
この記事は、入社前の自分に向けて書いた手紙でもあります。
就活中は不安だらけでしたが、実際に現場に入ってみると、 想像以上に学びの多い毎日を過ごしています。
確かに技術力の差は大きいです。
でも、それは決して埋められない差ではありません。
むしろ、その差があるからこそ、 毎日が新しい発見と成長の連続なのです。
焦らず、でも着実に。 一歩ずつ、確実に前へ。
それが、エンジニアとしての確かな一歩を築いていく道なのだと、 私は信じています。
共に頑張りましょう。
