入社式の朝、お猿SEは胸を躍らせていました。
学生時代から憧れていたITエンジニアにようやくなれる。
自分が書いたコードで世の中をよりよくするんだ!!
そんな風に大きな期待を抱いて第一歩を踏み出しました。
しかし、現実は期待通りの部分もありつつ、全く違うものでもありました。
今回は、そんなお猿SEの体験を交えつつ、
「IT業界ってこんな世界なんだ!」
と少しでもイメージできるようにIT業界のリアルについてお話していきます。
想像以上の厳しさと予想外の発見
まずは、私が入社してみて想像以上に厳しさを感じた場面と予想外の発見についてのお話です。
最初の壁:「Hello,World」じゃ済まない現場
入社後すぐに直面したのは、
「学生時代のプログラミングとは比べ物にならない複雑さ」
でした。
上記の様に、理解しなければならない概念が山のようにありました。
もしプログラマーであれば、既にある仕様に沿めていくことが多いので、理解する分野としては狭いかもしれません。
しかし私がなったシステムエンジニアという職は、学ぶ範囲は広く、様々な分野を理解していく必要がありました。
特に印象に残っているのは、入社して配属後に行った小さな機能追加のタスクです。
ステージング環境にて動作確認中、思わぬバグを引き起こし、自分の知らないところで影響が出ていました。他の方にも迷惑をかけてしまったので、コードを書くことは、こんなにも責任を伴うものだということをここで初めて知りました。
同期の離職から学んだこと
入社6か月で、同期の一人が退職しました。
その同期は、自分よりも優秀な大学出身で、技術力も高く、上司からも評価が高かったです。
しかしながら、
「自分が目指すキャリアと違う」
といった理由で退職していきました。
この出来事は、お猿SEに大きな気付きをもたらしました。
私はフルスタックエンジニアを目指しており、その他の観点を考えても、今の自分と入社した企業は合っていました。
思いがけない発見:私の会社の「ホワイトさ」
次は労働環境についてのお話です。
お猿SEが勤務する企業は、幸運にも世間で言われる「ホワイト企業」の特徴を多く持っていました。
世間一般的に見れば、十分ホワイト企業の部類に入ると思います。ただし、この「恵まれた環境」にも独自の課題があります。
それはリモートワークに関するお話です。
週1出社のリモートワーク中心の働き方。
一見理想的にも思えるこの環境で、私は意外な苦労を経験しています。
例えば、ある機能開発で行き詰ったことです。
オフィスなら気軽に先輩の席に行って相談できるところ、リモートではちょっとした質問でも、
「Slackで聞いたり、通話をかけたりして邪魔にならないか」
と悩んでしまいます。
また、チーム内の雑談から得られる情報や、先輩方の仕事ぶりを間近で見て学ぶ機会が限られているのも、新人の私には少し不安に感じる点でした。
意外な発見:給与とスキルアップ
次は、生活していく上で避けては通れない給与のお話です。
給与の真実
IT業界の給与水準は他業界と比較して高めですが、初任給の高さに安心することは危険です。
大手有名企業では順調に給与がステップアップしていく一方、多くのIT企業では初年度の高給与後、昇給幅が限定的になる傾向があります。
実際、給与の上昇に限界を感じ、転職を選択するエンジニアが急増しています。
そのため、新卒や未経験エンジニアに重要視してほしいのが、目先の給与数字以上に
「市場価値を高める技術力を身に付けられる環境がその企業にあるかどうか」
です。
単に高給与を追うのではなく、長期的なキャリア成長を見据えた戦略的な企業選びが、エンジニアのキャリア形成において極めて重要となります。
スキルアップの真実
私は入社9か月で以下のスキルが身についてきました。
しかし同時に、まだまだ足りないスキルも見えてきました。
特に自分の場合、システム設計に課題があります。
システム設計で抽象的な点をできるだけ具体的に移すことで、実装でもスピード感持って進められることが分かってきました。
将来への展望:見えてきた課題
最後に将来への展望として見えてきた現状の課題をまとめていきます。
現在、海外企業や国内IT企業がオフィス回帰をしていることもあり、お猿SEの会社も方針が変わりつつあります。
今は週一出社なのですが、どうやら春頃から週3出社を義務付けられるそうです。千葉に住む自分にとって、この変更は少々手痛いです(通勤時間は片道1時間)
この変更を機に、以下を検討しています。
- 引っ越し(ペットが飼えるとこがいい)
- リモートワークが続く他社への転職
- 現状維持で様子見
今の勤務先はまだ学ぶ要素がたくさん残っており、労働環境も悪くないので、とりあえずは3の様子見でいこうかと思っています。
ペットを飼いたいので、引っ越す可能性はありそうですが、転職は今のところは考えていません。
そして9か月間の経験から、理想の職場環境も見えてきました。
この辺が揃っている会社は、新卒や若手エンジニアにとって働きやすい環境だと思います。
これからIT業界を目指す方へ:お猿SEからの提言
IT業界へ身を置くことを考えている方へ、新卒エンジニア目線で入社を考える際のポイントをまとめていきます。
例えば、使用言語を意図なく流行りだからと使っていたり、育成に力を入れていないなどの企業は入社候補とするか、立ち止まり考える必要があります。
技術力も勿論大切ですが、その他にも大事なこともあります。
学生時代は様々な面で大人からのサポートがありました。しかし、社会人になるとそんなことはしてくれなくなります。
「全て自分の責任」
です。
システムエンジニア関係なく、自分の頭で考え、適切な行動を行う必要性があります。
9か月目のお猿SEから
入社当初は不安だらけでしたが、少しずつ自身がついてきて、うまくやれてきています。
先日初めて担当した機能がリリースされ、好評価を得た時はこの仕事を選んで本当に良かったと思いました。
確かに、技術の進歩は速く、常に新しい課題が押し寄せてきます。でも、それこそがエンジニアの醍醐味なのかもしれません。
これから先、AIの発展や新しい技術の台頭で、エンジニアの役割は大きく変わっていくことでしょう。しかし、基礎をしっかり固め、柔軟に学び続ける姿勢があれば、どんな世界でも生き残り、道は開けると信じています。
読んでくださった皆さん、特に将来エンジニアを目指す方々へ。
エンジニアの世界は想像以上に厳しく、でも想像以上にやりがいのある仕事です。
ぜひ覚悟を持って、一歩を踏み出してください。
お猿SEもまだまだ発展途上の若手エンジニアとして、皆さんと共に歩んでいきます。
2025年もがんばるぞ~!