はじめに
「オブジェクト指向って、なんか難しい…」
「いまいちイメージがつかめない…」
オブジェクト指向のプログラミング言語を学び始めてまだ日が経っていない方は、こう感じたことがあるのではないでしょうか。
クラス、オブジェクト、継承、ポリモーフィズム…などなど
新しい概念が次々と登場し、頭の中が混乱してしまうかもしれません。
今回は、エンジニアがぶつかる可能性の高いオブジェクト指向の壁について、その原因と乗り越えるためのヒントをお話していきます。
なぜオブジェクト指向が難しいと感じるのか?
オブジェクト指向が難しいと感じる理由は様々ですが、大きく分けて以下の3つの要因が考えられます。
1. 抽象的な概念の理解
オブジェクト指向は、現実世界のものをモデル化してプログラムを作成する手法です。
この「モデル化」という概念が、最初は抽象的で掴みづらい点です。
- クラスとオブジェクトの違い
クラスは設計図のようなもので、オブジェクトは設計図に基づいて作られた実体です。
この区別が曖昧になりがちです。
- 継承とポリモーフィズム
継承はクラス間の親子関係、ポリモーフィズムは異なる型のオブジェクトを共通のインターフェースで扱う仕組みです。
これらの概念は、具体的な例で何度もシミュレーションしないと理解が難しいです。。
2. 既存のプログラミングスタイルとのギャップ
手続き型プログラミングに慣れている人にとっては、オブジェクト指向の考え方は大きく異なるため、戸惑うことがあります。
- 逐次的な処理から状態の管理へ
手続き型プログラミングでは、処理の順序が重要ですが、オブジェクト指向ではオブジェクトの状態を管理することが中心になります。
- グローバル変数の使用制限
オブジェクト指向では、カプセル化によってデータの隠蔽が求められます。
グローバル変数に頼りがちな人は、この考え方に慣れる必要があります。
3. 設計の自由度
オブジェクト指向では、設計の自由度が高いため、一つの問題に対して複数の解が存在します。
この自由度の高さが、逆に迷いや不安を生む原因となります。
- 最適な設計を見つける難しさ
どのクラスを設計し、どのようなメソッドを持たせるべきか、設計の段階で悩むことがよくあります。
- リファクタリングの必要性
プログラムが大きくなるにつれて、設計を見直す必要が出てきます。
リファクタリングは、オブジェクト指向のスキル向上に不可欠ですが、同時に大きな負担にもなります。
オブジェクト指向をマスターするためのヒント
オブジェクト指向を習得するためには、以下の点に注意しながら学習を進めることが大切です。
1. 具体的な例で学ぶ
オブジェクト指向の概念は、抽象的なので、具体的な例をたくさん考えてみましょう。
例えば、以下のような例が考えられます。
- 自動車
自動車は、車種(クラス)によって様々な特徴(属性)を持ち、走る(メソッド)などの動作を行います。
- 動物: 動物は、種類(クラス)によって異なる特徴(属性)を持ち、鳴く(メソッド)などの動作を行います。
2. 小さなプログラムから始める
いきなり大規模なプログラムに取り組むのではなく、小さなプログラムから始めて徐々に複雑なプログラムへとステップアップしていくのがおすすめです。
- 簡単なクラスを作成する
まずは、簡単なクラスを作成し、そのクラスのオブジェクトを生成して動作を確認してみましょう。
- 継承とポリモーフィズムを実践する
簡単なクラスを継承して新しいクラスを作成し、ポリモーフィズムを利用して異なる型のオブジェクトを扱うプログラムを作成してみましょう。
3. 図を使って考える
オブジェクト指向では、クラス図やシーケンス図など、図を使ってシステムの設計を可視化することが重要です。
図を描くことで、全体の構造を把握しやすくなります。
4. 他のエンジニアと議論する
一人で悩まず、他のエンジニアとオブジェクト指向について議論してみましょう。
異なる視点からの意見を聞くことで、新たな発見があるかもしれません。
5. 実践的な経験を積む
オブジェクト指向の概念を理解しただけでは不十分です。
実際に様々なプログラムを作成し、試行錯誤することで、より深い理解を得ることができます。
まとめ
オブジェクト指向は、最初は難しく感じるかもしれませんが、焦らずじっくりと学習を進めていくことが大切です。
具体的な例を参考にしながら、小さなプログラムから始めて、徐々に複雑なプログラムに挑戦していくことで、必ずマスターすることができます。
この記事が、オブジェクト指向学習の参考になれば幸いです。
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