はじめに
今回はコンピューターやインターネットの仕事をしたいと考える人なら一度は耳にするIPA(情報処理推進機構)が実施している情報処理技術者試験についてお話します。
どんな資格があるのか、どのように勉強すればいいかを説明していきます。
因みに筆者は、大学院2年の頃就職前に取っとこうと思い、「基本情報技術者試験」と「応用情報技術者試験」を取得できました。
情報処理技術者試験とは
情報技術者試験はITスキルを証明するための国家資格です。
IPA(情報処理推進機構)が主催の試験で、難易度や専門分野ごとに13種類存在します。
それぞれの試験はレベル1からレベル4までのスキルレベルに分類され、特にレベル4は「高度情報処理技術者試験」とも呼ばれ、高度な専門知識が要求されています。
試験の種類と内容
では、情報処理技術者試験の種類と概要を見ていきます。
レベル1
ITパスポート(IP)
ITに関する基本的な知識を問う試験で、すべての社会人が持っているべきITリテラシーを確認します。
コンピュータの仕組み、ネットワークの基礎、情報セキュリティ、ビジネス戦略といった内容が含まれています。
情報セキュリティマネジメント試験(SG)
情報セキュリティに関する基本的な知識とマネジメントスキルを問う試験です。
セキュリティポリシーの策定、リスク管理、セキュリティ対策、事故対応といった内容です。
レベル2
基本情報技術者試験(FE)
ITの基本的な知識と技術を問う試験で、プログラミングやネットワークの基礎を学びます。
アルゴリズムとプログラミング、データベース、ネットワーク、セキュリティというように広範囲な内容となっています。
レベル3
応用情報技術者試験(AP)
基本情報技術者試験の内容を発展させた試験で、より高度なIT知識と技術が問われます。
ここでは、基本情報技術者試験の内容に加え、システム開発、プロジェクトマネジメント、経営戦略、ITサービスマネジメントといった内容も深堀りされます。
レベル4
ITストラテジスト試験(ST)
IT戦略の立案と実行に関するスキルを問う試験です。
経営戦略、ITガバナンス、リスクマネジメント、ビジネスプロセスの最適化などを内容に含みます。
システムアーキテクト試験(SA)
システムの設計や開発に関する高度な知識を問う試験です。
システム要件定義、設計技法、プロジェクト管理、品質管理といった内容になっています。
プロジェクトマネージャ試験(PM)
ITプロジェクトの管理スキルを問う試験です。
プロジェクト計画、進捗報告、コスト管理、リスク管理、品質管理といった項目が問われます。
ネットワークスペシャリスト試験(NW)
ネットワークに関する高度な知識を問う試験です。
ネットワーク設計、セキュリティ対策、運用管理、トラブルシューティングといった内容を含みます。
データベーススペシャリスト試験(DB)
データベースの設計や管理に関する知識を問う試験です。
データベース設計、SQL、パフォーマンスチューニング、バックアップとリカバリといった内容です。
エンベデッドシステムスペシャリスト試験(ES)
組込みシステムに関する知識を問う試験です。
マイクロコントローラ、リアルタイムシステム、ハードウェア制御、ソフトウェア設計といった項目があります。
ITサービスマネージャ試験(SM)
ITサービスの管理に関するスキルを問う試験です。
サービスデリバリ、インシデント管理、問題管理、変更管理、サービスレベル管理といった内容を含みます。
システム監査技術者試験(AU)
システムの監査に関する知識を問う試験です。
監査計画、リスク評価、監査手続き、内部統制、報告書作成といった内容です。
情報処理安全確保支援士試験(SC)
情報セキュリティの専門家を目指すための試験です。
セキュリティアーキテクチャ、暗号技術、セキュリティ運用、法規制といった項目になっています。
どのように勉強するといいか
情報処理技術者試験に合格するための勉強方法として以下のようなものが有効です。
基礎から始める
最初はITパスポート試験や基本情報技術者試験など、基本的な試験から始めるとよいと思います。
私自身も基本情報技術者試験から始めたおかげで、その発展の応用情報技術者試験も比較的楽に勉強を進められました。
参考書や過去問を活用する
市販の参考書や過去問を利用して、出題傾向を理解し、問題の解き方を練習しましょう。
私はその年の参考書を1冊買い、3周ほど読み込んだ後、ネットにある過去問を数年分解き、本番に挑みました。
過去問が乗っているサイトは「過去問道場」がおすすめです。
書籍に関しては、応用情報基本技術者試験までならキタミ式イラストIT塾がおすすめです。
毎年新しく発刊しており、イラストを交えて分かりやすく解説してくれています。
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レベル4以上の試験に挑む方におすすめの本は、また別の記事で紹介したいと思います。
実践的なスキルを身に付ける
プログラミングやネットワークの設定など、実際に手を動かして学ぶことも効果的です。
私の場合は、大学等でプログラミングは書いていたので、この辺りの分野は比較的リソースを割かずに勉強しました。
オンラインリソースを活用する
上記の「過去問道場」のように無料のオンライン講座やIT関連の動画を活用して、分からない部分を補強していくことも大事です。
今は、Youtube等で調べればすぐにいろんな動画が出てきます。
定期的に勉強する
資格を取ろうと思っている方は、仕事やアルバイト、学業などをしている方が多いと思うので、勉強する時間をまとめて取ることは難しいと思います。
30分など短時間でいいので、毎日継続的にコツコツと勉強していくことが合格に繋がります。
まとめ
情報処理技術者試験は、IT業界で働くための強力な武器になります。
周りからの評価は勿論ですが、自分の自信にも繋がるものなので、興味がある分野から始めて、スキルアップしていきましょう。
プログラミング言語の学習方法について詳しく知りたい方はこちら。
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