ハッシュ化と暗号化の違いを徹底比較!初心者でもわかる実践的な使い分け方

ハッシュ化と暗号化の違いについて エンジニア

プログラミングやセキュリティの世界に足を踏み入れたばかりの方にとって、ハッシュ化暗号化という用語を耳にしたことがあるかもしれません。しかし、実際にその二つの違いを理解できているでしょうか。

この記事では、ハッシュ化と暗号化の違いを徹底的に解説し、両者がどのように使い分けられているのか、さらに初心者でも実践できる具体例を交えて説明していきます。これを読んで、セキュリティ技術を実際に使えるスキルに変えましょう!

お猿SE
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両者の違い、使うべき場面を理解していこう!

ハッシュ化とは?その基本を理解しよう

まずは「ハッシュ化」についてです。プログラムを書く上で「ハッシュ化」という言葉を頻繁に目にすることになるでしょう。ハッシュ化(hashing)は、任意の長さのデータを固定長の文字列に変換するプロセスです。この変換は一方向性であり、ハッシュ化したデータを元のデータに戻すことはできません。これを不可逆性と言います。

例えば、パスワードをハッシュ化して保存する方法を考えてみましょう。ユーザーがパスワードを入力してログインする際、システムは入力されたパスワードをハッシュ化して保存されたハッシュ値と照合します。もし元のパスワードを保存していた場合、不正アクセスによりそのパスワードが漏洩するリスクがありますが、ハッシュ化することでパスワードの漏洩を防げるのです。

ハッシュ化の特徴

  • 一意性
    ハッシュ化されたデータは、元データが異なれば異なるハッシュ値になります。極めて低い確率で、異なるデータが同じハッシュ値を持つこと(これを「ハッシュ衝突」と呼びます)が発生します。
     
  • 固定長
    入力するデータのサイズにかかわらず、ハッシュ化された値は常に一定の長さとなります。例えば、SHA-256の場合、常に256ビット(64文字)の長さになります。
     
  • 高速性
    計算量が少なく、非常に高速で処理されます。これにより、大量のデータを素早く処理するのに向いています。

代表的なハッシュ関数

  • MD5 (Message Digest Algorithm 5)
    一時期広く使われていましたが、現在ではセキュリティ上の問題が指摘されています。例えば、ハッシュ衝突が発生しやすく、悪意のある攻撃者によりデータ改ざんのリスクが高まります。
     
  • SHA-256 (Secure Hash Algorithm 256-bit)
    現在、最も広く使われている安全なアルゴリズムです。特にブロックチェーン技術においても使用されており、非常に信頼性があります。

ハッシュ化の主な利用用途

  • データの整合性確認
    例えば、ファイルをダウンロードした後に、そのファイルが途中で破損していないかを確認するために使います。ファイルのハッシュ値を計算し、元のハッシュ値と照らし合わせることで、正しいファイルであることが確認できます。
     
  • パスワードの保存
    ユーザーのパスワードをそのまま保存せず、ハッシュ化して保存します。データベースが万一攻撃されても、パスワード自体は漏洩しません。

暗号化とは?セキュリティの要を理解しよう

次に「暗号化」について見ていきましょう。暗号化(encryption)は、データを第三者から守るために、元のデータ(平文)を読み取れない形式(暗号文)に変換する処理です。暗号化はハッシュ化と異なり、変換後に復号化(元に戻すこと)が可能です。復号化するためには、特定のが必要となります。

暗号化は、主にデータの機密性を保護するために使われます。例えば、オンラインバンキングや、企業内での機密データのやり取りなどで重要です。もしインターネットを介してやり取りするデータが暗号化されていなければ、第三者に情報が盗まれる危険性が高まります。

暗号化の種類

共通鍵暗号
  • 概要:共通鍵暗号では、同じ鍵でデータの暗号化と復号化を行います。つまり、送信者と受信者が事前に鍵を共有している必要があります。
  • 代表的なアルゴリズム:AES(Advanced Encryption Standard)
  • 長所:処理が高速で、実際の使用に向いています。
  • 短所:鍵を安全に管理する必要があり、複数のユーザー間で共有する際にセキュリティリスクがあります。
公開鍵暗号
  • 概要:公開鍵暗号では、2つの鍵を使用します。公開鍵(public key)と秘密鍵(private key)です。公開鍵で暗号化したデータは、対応する秘密鍵でしか復号できません。
  • 代表的なアルゴリズム:RSA(Rivest Shamir Adleman)
  • 長所:鍵の配布が容易で、鍵の管理が簡単です。
  • 短所:共通鍵暗号と比べて処理速度が遅く、より複雑です。

暗号化の主な利用用途

  • 通信の保護
    例えば、インターネットバンキングやオンラインショッピングなどで行われる通信は、暗号化されていなければ、第三者に情報を盗まれる可能性があります。HTTPS(SSL/TLS)を使用したウェブ通信が代表的な暗号化技術です。
     
  • ファイルの保護
    企業や個人で、重要なファイルや機密情報を暗号化して保存し、不正アクセスから守ります。これにより、仮にファイルが不正に取得されても、中身を解読することは不可能になります。

ハッシュ化と暗号化の違いとは?

ここまでハッシュ化と暗号化について、それぞれの特徴や利用例を見てきました。では、これら2つの技術はどのように異なるのでしょうか?

目的の違い

暗号化はデータの機密性を保つことを目的としています。データを暗号化することで、第三者にデータを読み取られないようにします。また、暗号化されたデータは復号化できるため、元の状態に戻せます。

ハッシュ化は主にデータの整合性を確認するために使用されます。データが改ざんされていないかを確認したり、元のデータと一致するかを確認するために使われます。ハッシュ化されたデータは、元のデータに戻すことはできません。

鍵の使用

暗号化では鍵が必要です。データを暗号化したり復号化する際には、暗号化アルゴリズムと鍵が必要になります。

一方ハッシュ化は基本的に鍵は不要です。入力されたデータを処理するだけでハッシュ値が算出されます。

暗号化とハッシュ化のイメージ図

まとめ

ハッシュ化と暗号化は、どちらもデータセキュリティを守るために重要な技術です。しかし、その使い方や目的は大きく異なります。暗号化はデータの機密性を保つため、ハッシュ化はデータの整合性を確認するために使われます。

それぞれの技術を理解し、適切に使い分けることが、セキュリティを強化するために必要不可欠です。これからプログラミングやセキュリティの勉強を進めていく中で、これらの技術は必ず役立ちますので、ぜひしっかりと覚えておきましょう。

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